ここでは、コンソールの画面解像度を変更する方法について解説します。X
Window を使用している場合は、XF86Configを編集することで画面の解像度を変更することができますが、コンソールの画面解像度は変更することができません。デフォルト状態でのコンソール上の画面の解像度は80文字×25行なので、文字なども非常に大きく実際にコンソールで作業をするのはちょっと…と思っている方は意外と多いことでしょう。かといって、毎回、Xを立ち上げるのも面倒くさい、という方は是非、コンソール上の画面解像度をあげてみてください。なお、変更方法は、ブートローダーにLiloを使用している場合と、Grubを使用している場合と設定が異なるのであわせて解説します。
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■画面解像度の変更(for Grub)
まず、画面の解像度を変更するにはシステムを再起動し、ブートローダーの画面が現れたら、いつも使用しているハイライト表示されたブートを指定し、e
キー(edit )を入力します。e キーを入力したら、以下のような文字列が現れると思うので、その行をハイライト表示にし、再び、e
キーを入力します。
kernel /vmlinuz-2.4.20-6
ro root=LABEL=/ |
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すると、文字列を挿入できる画面に移るので、以下のように入力します(vga=773 は1024X768)。なお、この時のキーボード配列は英語キーボードの配列となっているので日本語キーボードを使用している場合は、「=
」の入力ができません。イコールを入力するには、日本語文字の「へ」(0の2つ隣り)をタイプしてください。この時、Shift
キーを押している必要はありません。
kernel /vmlinuz-2.4.20-6
ro root=LABEL=/ vga=773 |
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vga=773 とは、画面の解像度を1024X768にするという意味を表しており、各解像度にあわせた番号が用意されています。以下表を参考にして、各自の使用しているモニタの表示可能な解像度に合わせて番号を選択してください。コンソール用途なので通常は256色表示のものを選択すればいいでしょう。筆者の場合は、ノートPCの解像度が1400x1050まで対応しているので775を使用しています。
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771 |
800×600/256色/8bitカラー |
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773 |
1024×768/256色/8bitカラー |
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775 |
1280×1024/256色/8bitカラー |
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788 |
800×600/6万5000色/16bitカラー |
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791 |
1024×768/6万5000色/16bitカラー |
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794 |
1280×1024/6万5000色/16bitカラー |
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789 |
800×600/1600万色/24bitカラー |
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792 |
1024×768/1600万色/24bitカラー |
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795 |
1280×1024/1600万色/24bitカラー |
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「vga=番号」を入力し終えたら、b キー(boot)を入力して、システムを起動させます。この時点で既に画面の解像度が変更されているはずです。また、今まで見えていなかったマスコットキャラクターのペンギンも表示されるようになっているのが確認できると思います。モニタの種類によってはペンギン君が1匹だったり2匹だったりします(笑)。
■grub.conf の編集
さて、上述した方法で画面の解像度を変更することができますが、再起動をすると設定は元にもどってしまいます。起動の度にいちいち、「vga=番号」 を入力するのは面倒くさいので、grub.conf
に予めこの設定を記述しておくことで常に指定した解像度でブートするようになります。/boot/grub/grub.conf
を開いて以下のように記述しておいてください。
kernel /vmlinuz-2.4.20-6
ro root=LABEL=/ vga=773 |
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■環境変数LANGの変更
上記の設定でコンソールを高解像度に変更しましたが、Linux を日本語インストールした場合は、コンソール上に表示されるメッセージが全て文字化けしてしまいます。また、kon
を起動しようとしても、解像度が高解像度になったために、画面がフリーズしたような感じになります(実際にはフリーズしていないので、手探りでexit
と入力すれば元の画面に戻れます)。kon 自体が800X600までにしか対応していないので表示することができないのです(たぶん)。その場合は、環境変数のLANGをデフォルトのja_JP.euc.JP
から en_US に変更して英語表示にしておきます。
また、このままだと現在使用しているシェルでしか有効にならないので、再起動時にも有効になるように、ホームディレクトリ下の.bash_profile
に以下のように記述しておきます。さらに、新規ユーザー作成時にも、デフォルト表示言語を英語にしておくには、/etc/skel
下の.bash_profile も同様に変更しておいてください。
# vi .bash_profile
export LANG=en_US |
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■カーネルパラメータの確認
カーネルに渡されたパラメータが変更されたかどうか確認しておきます。
# cat /proc/cmdline
ro root=LABEL=/ rhgb vga=775 |
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■画面解像度の変更(for LILO)
ブートローダーにLILOを使用している場合も基本的にはGrubでの設定方法と変わりません。システムを再起動すると、以下のようなLILOの画面が現れます。
上記のような画面が現れたら、linux vga=773 と入力します。使用する番号はGrubで説明した番号と同じですので上記表を参考にしてください。入力し終えたらENTERキーを叩いてシステムを起動させます。これで画像の解像度が変更されるようになります。